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〜靴と足のこと編〜


その他靴と足に関する質問 編




<履きやすい靴に出会ったとき、同じ靴を買い置きするのは・・・>
Q つい最近このサイトを見つけてとても参考になりました。
みなさんと同じように私も靴には悩まされています。
以前買ったヨシノヤのスクエアトウというのでしょうか、四角ばったトウの3センチヒールの靴がとてもあっていたのですが、 もう作っていないそうです。同じヨシノヤの靴だからと思って別のものを買いましたが全然あいません。
特に女性靴は「流行」に左右されやすくて「この一足!」に出会えてもいつも手に入れられるとは限らないのです。 そんな時、ダメとは思いつつ考えてしまうのが靴の買い置きです。やっぱりダメ、でしょうか…(女性)
A まず、靴の買い置きに関してですが、僕は問題無いと思いますよ。 というより、おっしゃるに既成の靴で、履きやすい靴に出会うことは、そうそうありません。
ですから自衛策として、同じ靴もしくは同じデザインの色違いとかを買われることをお勧めします。 オーソドックスな黒なんかでしたら、両方とも履き下ろして、交互に履けば2倍以上長持ちしますよ。

それから、ヨシノヤさんくらいの靴屋さんなら、その履きやすい靴を持っていって、同じラスト(木型) で作られた靴がないか聞いてみたり、そのラストを持っているはずですから、そのラストで安くオーダーできないか、 聞いてみられては、いかがでしょうか。
3万円くらいなら、買いだと思いますが・・・。

もし、トライアルされたら、結果をお知らせ頂ければ、助かります。


<新しく買った靴、左右の大きさが違うみたいなんですが・・・>
Q 最近、地元でトリッカーズのカントリーブーツを初めて購入したのですが、どうも左右のサイズがハーフサイズほど違う (ブーツの内側のマジックで書いてあるサイズ標記は同じですが右が大きい)んです。 購入時によく確認しなかった自分も悪いのですが、このように左右のサイズが違うことはよくあることなのでしょうか? やはり欠陥品なのでしょうか?
ご意見を頂ければ幸いです。(男性)
A 靴というのは、基本的に規格品と言えども、製作作業の工程から見て、非常にバラつきが発生しやすい種類の製品です。
中底やアッパーの革の大きさが裁断の際に揃っていても、吊り込みという作業の力のかけ具合によっても変ってきます。
ですから、左右で足入れが違うということは、発生しやすいというか、大かれ少なかれあるものだ、という意識が必要でしょう。
そのために試し履きというものが重要なわけで、ヨーロッパでもその際にOKを出した、 もしくは試し履きをせずに買ったものに関しては、本人の責任になってしまうのが、通常です。 よほどショップの店員さんと懇意にしていたら、多少の融通は聞いてくれるかも知れませんが、それ以外はそのまま、 中敷きなどの調節で履くしかないでしょう。

こんな時のためにも、試し履きというのは必要なんですね。


<早い時期に売られるブーツはお買い得?>
Q はじめまして。東京に住んでいます○○○○と申します。
主人から靴に関するとても参考になるホームページがあると聞き拝見しました。 たくさんの方々のお悩みの答えからいろいろ参考にさせていただきました。ありがとうございます。
ところで、おたずねしたいのはブーツの選び方などに関することです。
先日、8月に入るとロングブーツやショートブーツが店頭に並ぶようになります。 靴屋さんでお店の方に聞いたのですが、良いブーツは「8月から9月中旬くらいまでに店頭に並んでいるもの」だそうなのです。 各メーカーさんはこの時期に店頭に並んだ靴から売れたものをリサーチし、消費者がそろそろブーツを… と関心を持ち始める10月くらいに店頭に並ぶものは売れ筋として大量生産になるので革の質も落ちるし作りも丁寧でなくなるというのが理由だそうです。
本当なのでしょうか?
また、ブーツの選び方ですが、ロングブーツの場合足が入ることはもちろんですがふくらはぎがはいらなければいけません。 乗馬ブーツなどは筒から脚まで隙間がありますが普通のきれいめ(?)のブーツは脚にぴったりしたものを選ぶべきなのでしょうか。 なんとなく、ぴったりしてると脚が太いから無理してるように思われるのではないか…なんて気にしてしまいます。(事実太いんですが…(笑))
また、ふくらはぎに合わせるとサイズが大きくなってしまったり足首がゆるくなってしまったりしますが、理想的なブーツや、 ブーツを選ぶポイントなどありましたらぜひ、アドバイスお願いします。(女性)
A はじめまして。
一見ありそうな話ですね。 メーカーの友人に聞いてみました。
そうしたら一言
「ありえへんね、そんなんしてたら間に合わへんもん」
でした。(笑)

よく考えてみたらその通りで、もし売れ筋をみてから作るということは、在庫を持たないための手段でしょう。
店頭に並んだ靴が売れて、その情報がメーカーなりにフィードバックされて、それから革やその他の材料を調達、 成型、製作していたら、かるく売り時を過ぎてしまうと。
それにメーカーは、直接小売店に下ろすということは少なくて、大抵は問屋がそのシーズンのデザイン ・数量をメーカーに発注して買い取るものです。
その時にサンプルのようなものを作ることはありますが、あくまで問屋向けのもので、後で回収されるし、 むしろサンプルですら、実際に履かない事を想定していて、革の質は劣らないまでも、きっちり固定されていない場合もあるようです。
ということですから、もしそのような話を販売店の店員さんからお聞きになられたとしたら、売るための方便でしょうね。
選び方はやはりサイズを優先して、ふくらはぎなどの部分をストレッチなどで伸ばしたり、逆の場合は修理で縮めたりすべきです。
修理編のアッパーをご参照ください。
伸ばすには専用のストレッチャーが必要ですので、販売店で伸ばすサービスをやっているところもあるのではないでしょうか。
あくまでサイズは合ったものが前提ですが、ブーツタイプなら足が前に滑って指先に負担がかかるということも、 普通のパンプスよりは少ないでしょうから、幅は多少大きめでも大丈夫でしょう。
ざっとこんな感じですが、お役に立てば幸いです。


<レザーソール(革底)のメリットは>
Q 今回、レザーソールのメリットについてお聞きしたいのですが、ショップの店員さんにお聞きすると、
1、通気性が良い、
2、足に馴染みやすい(←これが曖昧で良くわかりません)等の返答が返ってきます。

しかし、この他の路面把握性、対磨耗性、耐水性、コスト、等が優れていると言う点から、 個人的にはラバーソールのほうが靴底素材として優れているのでは、と思うのです。 (こういった観点から、良い靴を見つけても、レザーソールが付いているために買うことを躊躇してしまう事がしばしばあります。)
しかし、今日でも一流メーカーの靴には、こぞってレザーソールが取り付けられています。 これはやはりファッション性重視という意味合いが強いのでしょうか?
それともまだこの他にラバーより優れている点があるのでしょうか?
アドバイス宜しくお願いいたします。(男性)
A ソール部分に要求される条件としては
・衝撃吸収性(クッション性)
・路面把握性(グリップ性)
・安定性
・軽量性
・通気性
・吸湿性
・屈曲性
・耐久性
といったところでしょうか。
既にQ&Aでも書いておりますように、革底、合成底それぞれにメリット、デメリットございますので、最終的には好みの問題だと思います。
足に馴染むという点では、ソールよりもむしろ製法や直接足に触れる中底の素材や善し悪しの方が大きいでしょう。
ダイナイトソールなどより、もっと極端にスニーカーやスポーツシューズと比べるともっとはっきりするかと思うですが、 上記の条件で言うと、革底に軍配が上がるのは、通気性と吸湿性くらいでしょう。 僕は普段はスニーカーがほとんどなのですが、たまに革底の靴を履くと、違う意味で見直すことがあります。
スニーカーは、動き回ったり、運動するには断然好ましいのですが、それほど動かない場合は、柔らか過ぎるというか、 逆に立っているだけでも圧迫を受けているような気することがあります。 ちょうど、柔らか過ぎる蒲団で寝るとかえって疲れるみたいなものでしょうか。
おっしゃるように標準で合成底の付いたの種類が少ないとは、思います。
その意味では、企業努力をしているメーカーもございますので、消費者の方には是非応援していただきたいですね。 個人的には、靴を触っていても思うのですが、価格といい、スコッチグレインなんか、お勧めですね。
いかがですか?


<かかとが片減りするのは、歩き方のせい?>
Q どの靴を履いても、かかとの後ろ、とくに外側が減ります。 歩き方がおかしいのでしょうか? (女性)
A 特に問題はないと思います。
人が歩くとき、足の裏には、かかと→足の外側(土踏まずの反対側) →小指のつけ根→親指のつけ根→親指 という順番で、力がかかります。 その中で、摩擦が大きいのは、かかとが地面につくときと、親指で地面を蹴るときです。 また、かかとの外側には骨があり、安定して歩くためには、足の先は外側を向きます。
そのため、どうしてもかかとの後ろや外側が減ります。
そして、その次によく減るのはつま先です。


<スリップオンタイプ(ローファー)脱げやすくて履きにくいんですが>
Q 初のオールデンのローファー(986、サイズ8、Dワイズ)を履いてます。
当初はかかと・甲が当たって痛かったのですが、現在慣らしが終わると逆に脱げ易くなってしまいました。
素人ながら、かかとの滑りとめや甲にあたる部分の調整用クッションなどを張りましたが、効果は今ひとつです。
どうも前後に余裕があるのが原因そうです(かかとに指1本入る程度)。
個人的にはつま先全体に何らかの「詰め物」を入れられれば良くなりそうだと考えています。 そんなモノやあるいは他の改善方法はありますでしょうか?
尚、ビジネスソックスではこのような脱げ易いという問題がありますが、やや厚めのカジュアルソックスではちょうど良くなります。
ちなみに先日ロイドでストレートチップ(サイズ8、ダイナイトソールの24,000円) の購入時に足の甲はかなり薄く、ベースサイズは8と言われました。
良くフィットして全体的に程よくきついという履き心地に開眼しました。
今となっては7ハーフが良かったとのでは?と悔やまれますが、そうも言ってられませんのでアドバイス頂けたら幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。(男性)
A お悩みは、スリップオンのオールデンを履きやすくしたいということですが、まず原因を。

メールを読ませていただいた限り、オールデンは明らかにオーバーサイズだと思われます。 サイズが、ロイド(英国サイズ)で8なら、オールデン(アメリカサイズ)7 1/2 に相当します。
かかとや甲が痛かったのは、締めつけられて痛いのではなく、足が靴の中で動くために打ちつけられたり、擦れたりしたせいでしょう。

解決法ですが、Q&A「ハイヒールがすぐに伸びて履きにくくなります」 も参照いただきたいのですが、爪先に詰めものを入れるのは(指 の前に)、指を傷める原因になりますので、決して行わないでください。
サイズが違ってしまいますと、完全な解決法はないのですが、考えられるとしたら、中の底に前半分に中敷きを入れると、 甲の裏に貼る「シュータンパッド」という商品がありますので、それで甲の部分を押えてやる、この2点です。
かかとに細工するのは、どうしても脱着の際に剥がれやすいので、お勧めは出来ません。 これでも履きにくい場合は、残念ですが諦められたほうが、足の健康のためです。

スリップオンタイプの靴は、ただでさえ紐で調節が効かないので、フィッティングにはより難しさがあります。
あまりお力になれませんでしたが、こんなところです。


<土踏まずにパットを入れる効果は?>
Q 初めまして。サイトを拝見して、メールさせていただいております。
土踏まずについて、質問させて下さい。靴については全くの初心者でして、初めて持った疑問ですが、お答え下されば幸いです。
普段はスニーカーをはくことも多いのですが、なかでも先日はき始めたものは土踏まずがピッタリ合っていて (最初は違和感がありましたが)とても安定して歩けるような気がいたします。
以来、パンプスなどの、ヒールのあって長時間はき辛い靴に関しても同様のことが言えるのではないかと思いまして、 なんとか持っている靴の土踏まず部分をどうにかしたいと考えるようになりました。
修理に出して土踏まずをピッタリ安定させることはできるのかどうか、またパッドなどでお奨めのものがございましたらお教えいただきたいです。 お忙しいところ申し訳有りません。
本当に基本的なことで申し訳ないです・・・。 よろしくお願い致します。(女性)
A はじめまして。
とても目の付け所が鋭い質問だと思いますよ。

まず土踏まずの役割ですが、足には大きく3つのアーチがあって、土踏まず(縦向き)、 それの反対側(外側・縦向き)、親指と小指の付け根に掛けて横向きに、とあります。 その3つのアーチが、着地する歳のクッションの役割を果たしています。
そしてそれらは筋肉や靭帯によって支えられ、その大きさはかなりの個人差があります。
アーチが低い方には、先天的か後天的かがあって、生まれつき偏平足でその成長期にも発達しない方もおられます。 逆に元々はアーチがあったのに、靴や運動不足などによって、アーチが維持されず、今はない方もおられます。 この場合は少し問題もあって、後で踏まずのアーチがなくなるわけですから、その分足が内側に崩れ落ちるようになっている(外転)ことが少なからずあります。 ですから、このような場合はアーチを持ち上げてやるアーチパッドを装着することにより、足が元の位置に持ち上げられて、安定感が増します。 ただ難しいのは、足は絶えず動く訳ですから、動的か静的かで、その硬さを変える必要があります。 アーチを持ち上げるには、ある程度の硬さが必要ですが、クッションの役割があるという面から考えますと、動的には沈んでくれる柔らかさが必要です。 ですから静的な場面では硬めのアーチパッドを使用し、動的な場面には柔らかめのパッドがよいでしょう。 でも靴を履く以上外に出るわけですから、すべて動的だという風にもいえるのですが、立ち仕事や車による移動で、あまり歩かない場合は、硬めでもよいかと思います。 それに、アーチは先ほどにも書きましたように、筋肉や靭帯で支えられているので、動かす(使う)事によって、再び形成される方向に進みます。 ですから、かなりの距離を歩く場合やなどは、むしろパッド無しでもよいでしょう。

ご照会のヒールのある靴は、この場合静的のい分野に入れてやるべきですね。
というのは、ヒールがあるということは、それ自体で足の動きを制限しますし、踏まずを単に持ち上げるということだけでなく、 それがストッパーになって足が前に滑るのを防いでくれるからです。
ですから、その分のフィット感は期待できますが、あくまでヒールのある靴は足への余分な負担があって、 歩くには適さないということには変わりありませんので、くれぐれも過信なさいませんように。


<ラスト(木型)とサイズの関係>
Q 最近聞いた話では,外国では靴は木型(いくつかパターンがある)で作るのにたいして国産では、 木型はあるけど,曖昧な物で同じメーカーでもその時々で木型を変えるので,サイズは当てにならない。JIS規格はあるが, メーカーによって採用基準が違うので,同じサイズ表記をしていても,大きさの靴になる。 これに対して外国では,木型にあわせて靴を作るので,同じ木型の靴であればデザインが異なっても,同じサイズの靴になる。 つまり,国産の靴を買う際には,必ず履いてみなければ,サイズはわからないのに対して,外国製では,木型を指定すれば,サイズはほぼ同じ物になる。 という話でしたが,どんな物なんでしょうか?
  いったい,靴を作る際にJIS規格はどのように利用されているのでしょうか?  また,JIS規格の表記の基準はどこにあるのでしょうか?  靴を履いてみると確かに同じ表記の靴でもサイズが全然違うことがよくあります。 また,同じメーカー製の靴でもデザインが変われば(ひも靴とローファー等等),履き心地が全然違う(つまり,サイズが違う?) ことがよくあります。
どうもよくわからないので,ご教示いただけたら,幸いです。(男性)
A はじめまして。
まず外国と日本の靴のサイズに関する件ですが、インポート物の日本で扱っているブランドでは、 特に紳士靴は定番に近いラインで展開しておりますので、自然とインポート物の方がわかりやすいという事ではないかと思います。 (木型を指定すれば,サイズはほぼ同じ物になるのは、当たり前ですよね)
反面、インポート物は外国の同じ国の中でもメーカーによって表示が違っていたり(主な輸出先の国の表示になっていたり)します。
その点国内メーカーはJIS規格による表示を基本としておりますので(もちろんそうでないものもあります)、 目安にはしやすいのではないでしょうか。
ただ、そのサイズの通りの木型(ラスト)かというと、なかなかそういうわけにはいかないようで、EEEを付けた方が売れるからという理由で、 そのような表示にしているメーカーもあるということも聞いたことがあります。
ですから、国内外関わらず、まずはサイズは目安にして、履いてみて選ぶというのには変わりなく、 合えばそのラストで作られた靴ならば、まず間違いないということですね。
ただ国産の場合は、定番だけでは中々難しいので、流行のデザインによって前まであったものがなくなったりしますので、 そのような言われ方をするのでしょう。


<足首が固くて底が減りやすい>
Q ゴム製の軍用ブーツの底を金属板にしたいのですが、可能ですか?
何故ブーツの底を金属板にしたいのかと言うと、私の左足足首が、生まれつきほとんど(上下同程度)動かない上にO脚気味なため、 普通の運動靴をはくと4、5ヶ月で左の靴の左側面にコイン大の穴があき、靴底が斜めになるほど減ってしまいます。
そこで、「軍用ブーツの靴底ならなかなか減らないだろう」と考え、1年前から軍用ブーツをはいていますが、 左靴底の溝が無くなりかけていて、あと1年もするとつるつるになってしまいそうです。 足首まで固定するこのブーツは運動靴に比べて高価ですが歩きやすいのです。そのため、ブーツの底を金属板にしたい、と考えています。 ご意見をお待ちしています。(男性)
A お気持ちはよくわかりますが、鉄板を付けるというのは、ちょっとどうかと思います。
その理由としては、
・滑りやすい  ・音がする  ・屈曲性が失われる
といったところです。
取り付けに関しましても、接着剤で付けるわけにはまいりませんので、ボ ルト等で固定する必要があります。 当店にも、足の怪我で同じようなトラブルをお持ちの方で、靴型装具(靴にふくらはぎのところで固定するような細工を施した靴:オーテーゼ ) を持ってこられるのですが、爪先から外側にかけて擦って歩くので、著しく減った状態で持ってこられます。 甲革が傷まないレベルでいつも元の状態になるように硬めのゴムを使って修理しております。
ご自身でマメにされるなら、スニーカー用の補修剤で減った部分を足して、元のソールがそれ以上減らないようにする。 足首を固定するタイプの靴は、正解でしょう。
あと、余談ですが足首の背屈運動が出来ない方によく施される方法として、ローラーというのがあります。 靴の底をUの字状にして、揺り籃のように足を回転させることにより、歩行を楽にするものです。 ただ見た目が目立つのと、歩幅が狭まるので、馴れるまでちょっとかかるかも知れません。
そのようなことを専門にやっていところをご紹介しておきます。
「ROOM-9 西山靴研究所」


<ベロの先の角があたって痛いのですが…>
Q 先日、コンバースのスニーカーを買いました。 売場では気づかなかったのですが、家に帰って履くと、ちょうど親指の付け根のあたりにベロ? (甲の部分)の布の角が当たり、歩くととても痛いのです。 何かを貼ればいいのかなぁと思いますが、靴売り場に行っても、魚の目、タコにはるものはあっても、 靴の方に貼るものがなく、どうしたものかと悩んでいます。 (男性)
A 簡単に解決できます。
当たる部分の内側に、平らな固定できる硬いものを入れて、金槌で叩いて角をつぶしてやれば、ウソみたいに直ります。
問題は、うまく中に入れるものが見つかるかですが、修理の店に頼んでもらえれば、その場でできますよ。


<ストッキングを履くとサンダルが滑って歩きにくい>
Q とても奇麗な奇麗なヒールのサンダルを先日購入して使用した所、 足を支える(止める)所が2点ほどしかない為に足が靴の中で滑ってしまい1/3程後ろがあいてしまいます。 もちろん歩きづらく、疲れます。
ストッキングをはいているという事もあると思うのですが、はだしではくと(オフィスでは無理) 中敷きが剥がれてしまう事もあるので避けたいです。(女性)
A とてもお気に入りのサンダルのようですね。最近は本当にデザインも豊富で、その分華奢に作られて、 見た目はかわいいのですが、履いてみると・・・。
おそらくご自身でもわかってらっしゃるとは思いますが、元々サンダルで長距離を歩くというのには、無理があるということは、ご理解ください。
僕自身、ヒールのあるサンダルというものを残念ながら履いて歩いたことがございませんので(笑)、 文章から裸足のように滑らず履ければ良くなるという前提でお話しします。
ちょうど、中敷きに印刷されているブランドのマークが消えないようにする方法で使ったのですが、中敷きの上にあるものを貼るというものです。 医療用の傷の保護に貼るフィルム(僕が知っているのはKOWAから出ている「プロテクターフィルム」 大きさにより3〜5枚入りで500円位)を貼るというものです。
このような商品ですので当然肌には害はなく、通気性、伸縮性があって表面がザラついていて滑りにくく、 革との相性は良くてきれいに貼れるし、剥がすのもきれいに剥がれるという優れものです。
ストッキングを履いてどのくらい効果があるかわかりませんが、お試しください。 これでしたら、中敷きは汚れませんので、裸足で履かれても良いでしょう。
ご成功をお祈りしております。


<ヒールが高すぎて歩きにくい>
Q 先日買ったばかりのブーツで頭を悩ませています。
ヒールが高すぎて、つま先からかかとまでスゴク急カーブなのです。 そのため、つま先とかかとしかつかない状態です。歩くと、とても痛いのです。

なにかいい方法はないでしょうか?
ちなみに、つま先に入れる中敷きのようなものは試してみましたが、効果はありませんでした。
勘違いなところに質問メールをしてしまったようでしたら申し訳ありません。(女性)
A 残念ながら、ありません。


<スポーツ工学を学んでいて、生かした仕事がしたいのですが>
Q はじめまして、大学院でスポーツ工学を研究してる○○ともうします。 どうぞよろしくお願いします。
今、スポーツ用品メーカーでスポーツシューズをつくる職人になりたいと本気で考えています。 しかし、靴の業界のことは全く分からず、そのためどうしていいのか分かりません。 主観的な意見でも構いませんので、くわしく教えていただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いします。
自分の今の状況を申しあげますと、大学院の修士1年でスポーツ工学を勉強しています。 とてもスポーツが好きでこの勉強をしています。 今年も含めましてあと2年スポーツの勉強をしてから、スポーツ用品メーカー(アシックスとかミズノなどの)で、 スポーツ用品の開発をする仕事に就きたいと思っていたのですが、研究よりも、ものをつくる仕事の方が自分にあっているので、 もしもスポーツメーカーでスポーツシューズをつくる職人のような仕事に就けるようであれば就きたいと思っています。 スポーツシューズをつくる職人になるためは、やはり専門学校に通うのがいいのか、またはそのほかの知識も必要なのかなど、 そのへんが全く分かりません。教えてください。(男性)
A **今回は無理を言って株式会社アシックス スポーツ工学研究所にお勤めの方にご協力いただきました。**

「はじめまして、アシックスの○○と申します。樅山さまよりご連絡をいただき私がご返事させていただきます。
昨年、東京の大学から変り種が入社しました。 農学部出身で米の品種改良の研究をしておりましたが、自分自身で限界を感じたようで、そこから何故かスポーツシューズを作りたいと方向転換しました。 それで、彼はまず自分の靴を作ろうと東京の靴学校・モゲワークショップに入学し自分で靴を作る技術を身に付けてから弊社に入社しました。 現在、スポーツ工学研究所で靴の研究開発に配属されております。

>「最近自分は机上で考えたりすることよりも、物をつくったりする仕事が向いていることに気づき、 スポーツシューズ職人のような仕事に就けるものならば就きたいと本気で考えております。」

机上業務より職人業務の方が種々の意味でつらいと思いますが、自分の性格にその仕事が合っていれば充実した人生を送れるかもしれません。 その合う、合わないを確かめるには靴学校の門たたいてみるのも有効な方策と思います。
また、ご質問があればご遠慮なく。


<女性でも本格的な造りで紳士靴のような履き心地を得れるでしょうか>
Q はじめまして。私はごく最近紳士靴を扱う仕事に就きまして、こちらのサイトでは色々勉強させていただいています。 26歳の女性です。
少し長くなりますが、お付き合いいただけますでしょうか。 質問を端的に言うと、 「靴サイズ37の女性でも本格的な造りの紳士靴を履けるのでしょうか?」です。

私は、毎日靴を見るにつけ、美しく、機能的な紳士靴に惹かれ、また、 自分が扱っているものをちゃんと知りたいという気持ちから自分でも紳士靴を履きたいと思うのですが、サイズの問題があります。
私の靴のサイズは37〜38なのですが、このサイズだとロングノーズ、しっかりした革底(中底にゴムなどが挟まってないもの) は、底が返らないから歩行については快適ではない、また女性の脚力ではダブルソールやノルベゲーゼ製法のものなんてもってのほか。 と、いう話を聞きました。
今は、メンズの39サイズに中敷を入れて履いたりしています。 (それでも少し大きめなので、多少ごまかしのきくブーツのみです。メンズのビジネスシューズで38サイズはあまり無いので。) ビスポークしてでも、いつかは本格的な靴を体験したい!と思うのですが、前述の「無理」な理由が本当だとすると、 ビスポークしたところで例えば、エドワード・グリーンの心地よさ、などは実感出来ない訳で…
やはり、無理なのでしょうか。それとも私は、いつかはビスポーク、の夢を抱いていてもいいのでしょうか。 または、著名な靴工房で、紳士靴と同じ造りの婦人サイズなどは造っていないのでしょうか。
あまり一般的な質問ではないので、サイトではなくメールででも、簡単にでもご回答頂ければ幸いです。
ちなみに、私の足は幅広で甲が低く、ヒールカーブもあまり無いタイプです。 あまり美しくはありません…アーチも落ち気味ですし…。
一番履きたいデザインは、ちょっと鼻が長めの内羽根、ストレートチップです。

突然のメールで、長々と申し訳ありませんでした。 これからも度々お世話になると思います。よろしくお願い致します。(女性)
A はじめまして。
毎日バタバタしており、お返事大変遅くなって申し訳ありません。 あのようなものでよろしければ、どうぞ活用してやってください。 また、おかしいなと思うところがあれば、お知らせくださいね。
あのようなサイトを運営しておりますと、「こんな悩みがあるんだなぁ・・・、なる ほど」というメールをいただくことがたまにありますが、まさに今回はそうでした。

貴嬢のお悩みは正確に言うと
「靴サイズ37の女性でも本格的な造りの紳士靴を履けるのでしょうか?」
ではなく、
「靴サイズ37の女性でも本格的な造りで紳士靴のような履き心地を得れるか?」
ですよね。

別に紳士靴にこだわっているのではなく、同じ作りの婦人靴があれば良いのですよね。
既成であるのかどうか、そのあたりは僕はあまり明るくないので、現在業界におられる貴嬢のほうが情報もあるでしょうし、 靴好きさんのサイトなどで聞かれたらよいでしょう。
それに第一、男性と女性では骨格が違いますので、単に紳士靴のサイズの小さいものを選んでもダメなわけです。 女性用のラスト(木型)で作られたものでないと。
ではおしゃるように、足の小さく脚力も体重も男性に比べて少ない女性が、GYウエルトやノルベゲーゼ製法などの底のしっかりとした、 複雑な構造をした靴を履くと、底が返らない(曲がらない)、靴に足が負けてしまうような事態になって、 履けるけれども普通の男性が履いて得られるような履き心地は無理なのか?
お答えとしては、う〜ん、やってみないとわからない・・・です。
もしかしたら、貴嬢が男性になって紳士靴の履き心地を体験できるわけではないので、やってもわからないとも言えますね。

神戸でビスポーク(オーダーシューズ)をしているスピーゴラの鈴木君にも聞きましたが、まずは既成でもあるのではないか (ジョンロブなどいかがでしょう?)、そしてやっぱり、やってみないとわからない、とのことでした。
底の返りに関しては、オーダーの歳ソールや中底の厚みを調整することは可能です。 それによってかなり緩和されるかと思われます。
あとは、やはり・・・・、是非お試しになって、感想をお寄せください。 ちなみにダブルソールの場合は、日本人のサイズですと紳士靴でも、履き心地がよいとは言えないですよ。

いかがでしょうか、あまりお役には立てませんでしたが、こんなところです。


<仕事(学校)で指定された靴が履きにくいのですが>
Q はじめまして、○○○○と申します。
私は現在洋菓子も料理もやっているお店で、厨房で働いています。
仕事中はコックシューズという、つま先に鉄板の入ってる物を履いています。 それが、当たり前ですがかなり重くて相当足の指に負担がかかっていて・・。
でも、お店で決められていましたから鉄板のない他のを履くって言うわけにも行かず・・。どうしたものでしょうか?
手を加えるということは出来るのでしょうか?
お忙しいとは思いますが、宜しくお願いいたします。(女性)
A はじめまして。
つま先にスチールカップが入った靴のスチールカップを取り外したいという質問に関しましては、過去にございましたが、 修理の仕事をしながら、このような指定靴に関して思っていたことがございますので、次の2点で書かせていただきます。

・現状の靴(コックシューズ)を、少しでも履きやすくできるか。
・指定靴の現状

今お履きのコックシューズが、指などに負担がかかって履き難く感じるのは、単に重たいだけではないと思います。
コックシューズに限らず、つま先にスチールカップの入った安全靴は、その規格のために先芯の前後長をある程度取らなくてはならなく、 そのサイズにしてはブカブカの靴になっているようです。
当然ボールジョイント(足が曲がる位置)も、適正な位置に取れなかったり、それ以前に返り(靴の屈曲性)がよくなかったりと、 仕事で1日中履くにはちょっと問題があると思わずにはおれません。
指に負担が掛かるのも、ブカブカせいで先に足が滑って、指がスチールカップにあたったり、 緩い分踏ん張ろうと無意識にしてしまうということもあるでしょう。 考えられるのは、踏まず部分でしっかり足を固定できたら、滑りも抑えられ、先には余裕があってと少しは楽になるかと思います。 インナーソールを入れることによって、踏まず部分を持ち上げて、フィット感を出せないでしょうか。
特に足底板というインナーソールがあるのですが、コンフォートシューズなどには標準で入っている少し厚みのある硬めの素材で 凸凹の付いたものなのですが、それを少し靴に合わせて改良すれば、踏まずのアーチサポートも付いていて、前滑りを抑えながら、 持ち上げて固定してくれるのではないかと思います。
まずは市販されているインナーソールで、この手のものを探して見てください。

このような現状は、規格などによる縛りもあるでしょうし、制服的な要素が強いのでさまざまな足に対応しにくい環境もあるでしょう (コストパフォーマンスなども含めて)。
しかし安全靴といわれる靴が、足の健康をないがしろにしていたら、果たして安全なのかどうか・・・・。
他に私立学校の制靴には、修理に持ち込まれて「成長期の大切な時期にこんな粗悪といってよいほどの靴を履かされるなんて、かわいそうだなぁ」 と思うことも少なからずあります。
すぐに大きくなってサイズも合わなくなるし、今だけだから、という思いもわかりますが、その今が大切なんですけどねぇ・・・。


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